エコーによる
診断・治療
エコー(超音波)検査は、超音波の反射を利用して身体の中の様子をリアルタイムで映し出す検査方法です。
妊婦検診や心臓・内臓の検査などで広く使われていますが、整形外科の分野でもレントゲンと併せて用いられるようになり、診断の際に役立っています。
この検査では、痛みやしびれの原因を明らかにするために、骨の状態だけでなく、血管・神経・筋膜・筋肉・靭帯など、体内のさまざまな組織の様子を丁寧に観察し、今の状態を詳しく把握できます。

エコー(超音波)による診断・治療の特徴
筋肉・靭帯・腱・神経などの軟部組織の損傷部位を確認できるほか、動きながらの観察で損傷や回復の過程を把握できます。
また、レントゲンでは見つけにくい微細な骨折やひびを発見し、骨折部の癒合状況を評価することも可能です。
さらに、注射の際には神経や血管の位置を確認しながら進められるため、身体への負担を軽減できます。
この検査は痛みがなく、被ばくの心配もないため、身体への影響が少ない方法として役立っています。
エコーガイド下治療
エコーガイド下治療について
エコーガイド下治療とは、超音波画像を活用して治療が必要な部位を確認し、薬剤を注入するなどの処置を行う方法です。治療部位に薬剤を届けることで、痛みの軽減などの効果を効率的に得ることができます。
例えば、神経ブロックでは、超音波画像を使用することで神経の位置を把握し、治療を行うことが可能です。
エコーガイド下治療の
メリット
診断的治療を実現
エコー(超音波装置)を活用することで、身体への負担が少ない診断を実現できます。
さらに、エコーを使った注射により、治療部位を確認しながら進めることができ、診断と治療を同時に進めることが可能です。
即時的な治療効果の確認
エコーガイド下治療では、治療の効果をその場で確認できます。
十分な効果が得られない場合でも、直ちに状態を再検討し、問題のある部位を特定して対応することが可能です。
これまで困難だった部位への注射が可能
エコーガイドを活用することで、従来では治療が難しかった部位にも注射が行えるようになります。
エコーガイド下治療の種類
エコーガイド下神経ブロック
神経ブロック注射では、超音波画像を活用して神経の位置や針の深さを確認し、薬剤の広がりをリアルタイムで把握します。
これにより治療の効果が高まり、より良い結果が得られます。
エコーガイド下筋膜リリース
最近の研究で、筋肉を覆う筋膜の癒着が痛みの原因となることが明らかになっています。特に筋膜が癒着して厚くなると、圧力がかかることで痛みが周囲に広がることがあります。このような部位はトリガーポイントとして知られています。
筋膜リリース治療では、トリガーポイントに対して局所麻酔薬やステロイド、生理食塩水を注入し、筋膜の癒着を解消します。
エコーガイド下関節内注射
関節炎・変形性関節症・肩関節周囲炎など、関節内部に起因する痛みに対しては、関節内に局所麻酔薬を注射する方法があります。
特に手指の小さな関節や癒着している肩関節では、針の位置が治療の成果に大きく影響します。
エコーガイドを使用することで、針の位置を適切に確認し、治療を行うことができます。